動く島、亜熱帯の森
南大東島には、バリバリ岩と呼ばれる岩山があります。
それは大きな岩の裂け目で、中に立ち入れるような空間になっています。
人が住み始めた歴史こそ100年ちょっとと浅いものの、島そのものが誕生したのは遥か昔。
赤道付近のニューギニア沖にあった海底火山がフィリピン海プレートに乗って移動し、現在の場所にたどり着いて大東諸島となったそうです。
私たちには想像もつかないような長旅。
その間に島は少しずつ形を変え、命を育み、今の姿をつくっていったのでしょう。
そんな南大東島は、現在も1年に7cmの速さで北東へ動き続けています。
その名の通り、バリバリと音を立てて裂けたかのような岩の裂け目は、地殻変動によってできたものです。
裂け目の地面からは村木であるダイトウビロウが高く高く伸びています。
荒々しい岩肌の間には澄んだ空気が流れ、頭上には鳥のさえずり。
不思議なエネルギーに満ちた空間は、それ自体が呼吸をしているような力強さがありました。
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